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abee 電源 Silentist S-550EB ファン制御回路の改造


熱いときしか回らないBFS(バックアップファンシステム)の機能を停止させ、つねにゆっくり回転するようにファン制御基板を改造する

この電源は、電源ユニットの内部温度を常に監視し、約50℃を境にクーリングファンの起動・停止を自動で制御します。そのため、電源への負荷が少ない時は、クーリングファンが全く回転しない。しかしながら、ケースファンが電源の後ろの格子からフレッシュエアーを吸うため、ケース内部の空気の流れが悪く、ハードディスク周りの空気の流れが悪い。これを改善すべく、電源のファンコントロール制御基板を改造し、軽負荷負荷で電源ヒートシンク温度が低くても、常にゆっくりファンを回転すべく改造しました。   2009.3.16

これがabee Silentist AS Power EB-550EB 電源
背面の格子から中をのぞきこむと、FAN-07と書かれた基板が見える。

ケースを開くと、写真の手前側にFAN-07と書かれた基板がある。
ファンのリードがつながっているのですぐにわかる。
今回の改造ポイントはココ
ねじにかぶさっているシールを剥がすと保証は受けられなくなります。

改造前ファンコントロール基板 部品面 
TH1 サーミスタリード線は外してある。

ファンコントロール基板 はんだ面 

回路図と改造ポイント
基本回路は、R1とR2、R4のバイアス回路による非安定電源回路(入力電圧の変動で出力もぶれる)で、常温時はサーミスタの抵抗値が高いため、Q2 2SC1815のベースはONしているため、Q2のコレクタはGNDに落ちており、Q3 2SA733のベースバイアスが掛かり、エミッタコレクタ間がONし、R1、R2の接続点は、GNDに落ちる。Q1のベース電位は0Vに近くなり、Q1エミッタは0.7Vぐらいしか出力されず、ファンは回転しない。Q3はファン完全停止回路なのである。
温度が高くなるとサーミスタの内部抵抗が小さくなり、その結果Q2のベース電位が0.6Vを下まわるとQ2のコレクタエミッタ間の等価内部抵抗大きくなり(コレクタはHi)、その結果、Q3のベースバイアスがかからなくなり、エミッタコレクタ間はオープンになり、Q1のベース電位が徐々に大きくなり、エミッタ電圧が2.9VぐらいになるとFANが回りはじめる。このときの周囲温度が50℃になるように、R6の値は3.3kΩに設計されている。ヒートシンクに熱結合されたTH1サーミスタがさらに高温になると、約10.5Vが出力されるという回路になっている。
このままでは、温度が低い場合、FAN完全停止回路が働き、まったくFANは回転しない。FAN完全停止回路を殺した上で、常時2.9V〜3.5V程度の電圧がFANに印加されるように、R4の代わりにツェナーダイオードを使い、Q2がONしていても、Q1のベースには3.9Vがかかるようにします。Q2のエミッタ電圧はベース電圧よりも0.5V〜0.6V低い電圧になります。
R6の3.3kΩを33kΩに変更すれば、より低い温度(40℃ぐらいかな)でQ2はOFFに転換し始め、FANが回りはじます。
56kΩだと、電源ONのあと約10分経過で、さらに低い温度でFANが回り始める。

改造後の基板@R8 470Ωの足をはんだ面で浮かし、AR4の代わりにツェナーダイオード3.9Vを取り付け。
これで、ファン完全停止回路を殺して、負荷が軽くてもファンの電圧は3.2Vになり、ファンはゆっくり回る。
S-550EBの後継モデルであるS-550ECは、このBFS機能を停止できるスライドスイッチが背面に設けられている。S-550ECはBFS機能停止の場合は、ファンは常に回転する。

abeeの電源は台湾Topower Computer Industrial Co., Ltd.でOEM製造しているようだ。



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